3月26日(土)、第3回『親子で楽しむ算数教室』が文京福祉センター江戸川橋で開催されました。その詳細をお伝えします。今回は、初等整数論です。毎回参加者が増え、楽しく考え、学んでいます。
● まずは仲間づくり
3回連続で参加している子、初めて参加の子・・・、色々な子ども達と保護者が32名集まりました。
まずは、簡単なゲーム『ジップ・ザップ・ボヨーン』で身体慣らし、そして恒例の『What is this ?』.
隣を指さし「ジップ!」、隣以外を指さし「ザップ!」、ザップが来た時一回だけ「ボヨーン!」で返すことができる。うまく回せなかったら、場を抜けるというシンプルな仲間づくりゲームです。
ザップが来たので、「ボヨーン!」返し(^^♪
これは、何でしょう?質問に対し、イエスかノーで答えます。
「置いて、回しますか?」「イエス!」
例えば、時計回りに回すと、止まってから反時計回りに回るんです!
● グループワーク―1対1対応
「日本の問題とヨーロッパの問題を用意して来たんだけれど、どっちをやりたい?」
「日本!」
ということで、問題!
織田信長が木下藤吉郎に「この山に木が何本あるか調べよ」と命令した。
こんな大変な作業・・・、数えているうちに混乱してきちゃうね。
でも、木下藤吉郎は、この難問を見事に解決しました。
さて、どんな方法で解決したでしょう?グループに分かれて考えてね。
幾つかのグループに分かれて、あれこれ考えます。
「ひもをたくさん用意してね、それで木の幹を結んでいくの。」
「用意したひもと残ったひもで、引き算すればいいんだ!」
ちなみに、ヨーロッパの問題とは・・・。
学校で算数を教わっていない羊飼いの少年、昼間、外で放牧されている羊が夜に小屋に戻ってきた時、何匹戻っていないか、すぐわかるんだって♪ さて、どうやったかな?
これは、すぐわかったね。
羊が1頭出ていくと、皮袋に石を1個入れる。戻ってきた時には1個出す。木の数を数えるのと同じだね。
これを1対1対応と言うんだよ。
「じゃあ、目をつぶって!今、ここにいる男の子と女の子、どっちが多いかわかる?数えないでね」
「男の子と女の子が手をつなげばわかるよ!」
やってみよう!そうしよう!
これも1対1対応だね♪♪
● 数のタイル化
1対1対応を具体物から半具体物に置き換えよう!
大きさ(量)を数値化して行こう!
絵本『はじめてであうすうがくの絵本 2-かずのだんご』 安野光雅(福音館書店)の読み聞かせ。
みんな身を乗り出して、聞き入ります。
動物や自然物の数をだんごに置き換える。
「このだんごは、何の数を表しているかな?」
「はーい!」「はーい!」
元気な声が響き渡り、とってもいい顔♪♪
だんご○をタイル□にすると、上に積みやすいね。
● 記数法―古代エジプト数字とインドアラビア数字
古代エジプトは、絵で大きさを表現していた。
さんびゃくにじゅうよん
↓
古代エジプト数字で表現してみよう!
小さい子には、お姉さんが教えてくれます。みんな一所懸命に取り組みました。
かけ算の考え方で書いてきた子もいました。驚き!
エジプトの数字は、順番を入れ替えても大きさの意味は、変わらない。でも、書くのが大変です。
そこで出てきたのが、インドアラビア数字。0の発見が数学を進化させた。
ところで、じゅうさんはどうして13って書くの?103じゃいけないの?
「あのね、103だと百の位になるの」
「13、こう書かなきゃ、1は十の位にならないよ」
どうもうまく説明できません。
十進位取りのこと、学校じゃちゃんと教えてくれないんだね。
一のタイルが十個集まると、一本になって隣の本の部屋に移動するんだよ。
一本と三個だから、13!
● 数字の1は、なあに?
『すうじの歌』をみんなで歌う。
すうじの1は なあに?工場のえんとつ もくもく
すうじの2は なあに?お池のがちょう がーがー
ところでインドアラビア数字は、どうして1234567890って書くのかな?
ヨーロッパでは、数字の1は左のように書く。
ヒントを出してあげたら、小さい子がちゃあんと説明してくれました。
すごい!すごい!
角の数で数字を作っているんだね♪
『10人のゆかいなひっこし』 安野光雅(童話屋)の読み聞かせ。隣の家に引っ越す10人の子ども達。男の子と女の子は同じ数。残っている子がわかれば、引っ越した子もわかる。残っている男の数がわかると引っ越した男の子の数がわかる。10の補数と5の補数の練習ができる優れものの絵本。
みんな身を乗り出して、聞き入り、質問にも的確に答えてくれました(^^♪
● 一本でもニンジン-たせるものとたせないもの
なぎらけん壱の『一本でもニンジン』を歌いながら、さあ問題です!
1本でも 人参
2足でも サンダル
3そうでも ヨット
4つぶでも 胡麻塩
5台でも ロケット
6羽でも 七面鳥
7匹でも 蜂
8頭でも くじら
9杯でも ジュース
10個でも いちご
2足でも サンダル
3そうでも ヨット
4つぶでも 胡麻塩
5台でも ロケット
6羽でも 七面鳥
7匹でも 蜂
8頭でも くじら
9杯でも ジュース
10個でも いちご
これ全部たすといくつ?
「55!1と10で11。11が五つ分だから」
「すごいね!これ、ガウスの方法っていうんだよ。天才数学者ガウスが子どものころ考えたってことで有名」
みんな、へーって顔していたね。
「じゃあ、55の次に単位をつけてごらん。55なんて言うの?」
ううううう~む・・・。
55本足そう粒台羽匹頭杯個っていうのかな?
これは、たし算できません・・・。
量の質が違うものは、たしざんできません。
「これ、なーんだ?」
「犬」
「牛」
「ピンポーン!」
「それが牛なの?」(笑)
牛1頭とクジラ1頭では?
哺乳類でくくれば、哺乳類が2頭って答えてもいいけれど、別物と考えれば、牛1頭とクジラ1頭では、牛1頭とクジラ1頭。
温度や電車のスピードもたし算できません。
水50ccとアルコール50cc?????
100ccにはならない!なんでだろう?なんでだろう?なんでなんでだろう?
● 最後に、おかしな絵本とゲーム『マランカ』
「今から絵本を読むよ。おかしいところ、わかるかな?」
1から10までの数を絵本で教えているんだけれど、2個のりんごというように量で2を説明したかと思うと、7では「7つめの停留所」と順序で数を説明している。
いろいろと絵本をチェックしてみたら、安野光雅以外、ほとんど全滅です。
「この絵本は、すごいよ♪」
ページをめくってみると・・・。
「わっ!なんだ!」
最初と最後が逆に製本されている珍本!
数とは関係ありません(爆笑)。
最後にアフリカや中近東、アジアで見かけられる、定番のボードゲーム『マンカラ』の紹介。
初歩の加減ができるようになるゲームです。
これは、超オススメ!アマゾンで1円で買えます(^^♪
ここまでで2時間ぶっ通し・・・。時間がない。5-2進法、2進法の話『ウラパンオコサ』の読み聞かせ、0の紙芝居『ぺちゃくちゅ くっちゅん』もできなかった。時間が足りないなあ・・・。
数の領域、子ども達飽きるのじゃないかなあと思ったけれど、そんなことはない。
2時間連続にもしっかりとついてくれました。ありがとう!教材がいいんだね!みんな、いい顔!
「ここの算数は楽しいのに、学校の算数はどうしてつまらないのかなあ?」
という男の子の声が印象的でした。
来週は、たし算を少々やってからかけ算の世界へ!
また、来てね!
※ 第3回『親子で楽しむ算数教室』のレジュメ(3ページ)、必要な方は差し上げます。
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