写真を読む―『トランクの中の日本』

今期二回目の『写真を読む』授業。
想像力をどうかき立てるかがポイント。それを強化するための練習。
一回目は、映画のスチールから、その場面の状況を判断した。
二回目は、何度も行ってきた『トランクの中の日本―米従軍カメラマンの非公式記録』(ジョー・オダネル&ジェニファー・オルドリッチ)から、超有名な写真を使って!

● この写真をどう読むか?―いつ・どこで・誰が・何を・どうしたか?

写真という映像を隅から隅までしっかり見つめ、細かく分析し、状況を明らかにしていく。

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※ いつ?→季節は?
「今じゃないよね」
「そうとう昔」
「裸足だ」
「坊主頭だし、兄弟をおぶっている」
「おぶい紐なんて、今は使わないし」
「汚れているし、戦争中かな?」
「半ズボンはいているから、寒い季節じゃないよね」

※ ここはどこだろう?
「外国じゃないよね」
「何を着ているんだろう」
「これはね、昔の小学生の学生服かな、おれが子どもの頃、こういうの着ていた子がいたよ」
「戦争の被害にあった場所かな?」

● 大発見!

「この白い石みたいの、お墓?」
「いや、字が書いていないし、凝んな小さいお墓はないよ」
「何かの標識?」
「あ!この子の足もと・・・。立ち入り禁止のラインじゃないの?」
「その下に石垣みたいのがあるよ」
「石垣の下に何かあるのかな?」

● 誰が?

「二人は兄弟かなあ?」
「何を見ているんだろう?」
「小さい子、死んでいるんじゃないの?首がおかしいよ」
「死んでいる子を何でおぶっているの?」
「足もとの下は、戦争で攻撃を受けたところ?」
「たくさんの人が死んでるんじゃない?」
「死んでるんじゃなく、集められてる?」
「それを見ているから、深刻な顔をしているんだ」
「悲しくないのかなあ・・・」

● 何を・どうした?

「死んだ人を集めて、どうするの?」
「焼くんだ!!!」
「たくさんの人が死んで集められてる」
「その場所は、どこだろう?」
「広島か長崎だ!」

ここで初めて原爆という言葉が出てきた。

「原爆は、どこに落とされたの?」
「広島と長崎」

1945年の8月9日の数日後、長崎の火葬場で一人の少年が弟を背負い、直立不動で立っていた。
少年の弟はすでに死亡している。

こんな感じで写真を読んだ。

その後の少年の行動は、わからない。
写真集の文章を読んであげた。
小1から小6まで、真剣に写真を読んだ。
小1の子の発言も多数。

求められるのは強制力ではなく想像力...。
想像力は、出会いから始まる。その出会いは、偶然かもしれない。
また、大人が用意したものであるかもしれない。
その出会いが互いのダイアローグの中でスパークし、発酵されていく。

「このあと、どうしたい?」
「・・・、広島か長崎に行ってみたい」
「来年のミニ飛ぶ教室で行ってみようよ」
「ちょっと遅すぎるかなあ」
「行く前にどういうことをしなきゃいけない?」
「広島や長崎のことを調べたり」
「原爆のことも調べなきゃね」

こうして、子ども達は動き始める・・・。

※ 『トランクの中の日本』 1995 小学館
1945年の、若い米軍の兵士ジョー・オダネルがヒロシマ、ナガサキほか焦土の日本を記録した。
非公式に私用カメラで撮った300枚のネガは帰国後、戦争のいまわしい記憶といっしょにトランクに入れ、封印した。1989年、屋根裏にしまい込んだままのトランクを開け、写真を公開。

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この夏、広島に行った京ちゃん、写真を興味深そうにみるミハル。

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