あなたは、鉛筆を削れますか?→『鉛筆を削る』授業

 刃物を持たない運動

小学校から帰宅すると、ラジオが臨時ニュースをがなり立てていた。

「臨時ニュースを申し上げます!臨時ニュースを申し上げます!」

社会党委員長浅沼稲次郎が右翼少年に刺殺されたというニュースが自分にどういう影響をもたらすのかもわからぬまま、ラジオを聴いていた1960年。


それからしばらくして教室に手動鉛筆削り器が2台やってきた。

「まず、先生が見本を見せる。みんな鉛筆を持って並びなさい」

学校に刃物を持ってくることが禁止され、かくして、教室から肥後守やボンナイフが消えて行った。


この時代の子ども達(いわゆる団塊の世代)にとって、肥後守やボンナイフは武士の魂の刀のような存在だった。つまらない授業では上蓋(一枚板)式の木製机に穴を開け、消しゴムを刻み、指ではじいて穴に落とす。時には肥後守の刃をペリカンの嘴に見立ててのペリカンごっこ・・・。校舎全体が木製だったので、木を切り刻んで遊ぶのに事欠かない。

肥後守は、創意工夫の源であった。

それを大人の一方的な価値観で善悪を決め、ナイフを学校から追放した結果、どういうことが起きてくるか・・・。形が不自然であっても肥後守を使い、自分に合った木製品を作る。昭和30年代はプラモデル以前に、まだまだ木製品が生きていた時代だった。木製飛行機、木製船舶、木製自動車などキット自体を切る、磨く、つなげるなどの手間暇がかかった。自分の世界を創造する道具としての肥後守・・・。今の子どもはナイフを使えないと大人は嘆くが、そういう状況を作ったのは、いわゆる良識ある大人と言われる人たちであり、その大人でさえ鉛筆を削れなくなってきているのだ。


肥後守を使い創造する世界から、プラモデルによるより精密な模造品の世界への変遷を、私たちは悲観的にとらえなければならない。やればやるほど子どもをダメにしていく世界の拡大再生産・・・。


上記の見解をベースに、『刃物を持たない運動』や『悪書追放運動』の功罪については、すでに授業している。問題は、いかにして肥後守を復権させるかということ・・・。

これは、やってみるしかない。肥後守やカッターナイフを操れる身体を作るしかない。

というわけで、鉛筆を削る授業!


 安い鉛筆

二種類の鉛筆を用意する。

一つは1本150円の三菱ハイユニ、もう一つは50本980円のmade in China・・・。

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「中国製の鉛筆を使うよ。どうしてだか、わかる?」

「鉛筆使い終わったら、ケースをコップとして使えるんだ!」(爆笑) 

「値段が安いから?」

「質がいいのは、どっち?」

「三菱!」


わざわざ、質が悪いものを使う理由を考えてもらう。1950年から60年にかけて、まだまだ貧しかった日本。いい鉛筆はなかったんだよ。

わざわざ、当時と同じような材質の鉛筆を選びました。

三菱・トンボ・コーリン・地球・ヨット・・・、いろんな鉛筆会社があったなあ・・・。


 構えの姿勢―鉛筆とナイフを持ってみる

まず、鉛筆とナイフを持ち、鉛筆削りの構えを見る。

右手にナイフを持ち、右手指だけで鉛筆を削ろうとしている子が結構いる。

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鉛筆を持つ手の親指の腹をナイフにあて、ナイフを押す。
同時に鉛筆を持つ手の人差し指で鉛筆を手繰る。
ナイフを持つ手は支えているだけ。
これが、なかなかできません。

● さあ!やってみよう!

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みんな、真剣です!

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カッターナイフは何十丁もそろっています。

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見本を見せて、じっくり手ほどき(^^♪

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こんな感じ!

批評会も行いました。
「鉛筆がよごれているのと、そうじゃないのがあるね」
「切り口が短いのと長いのも」
「刃の角度かな?」
「俺、上手に削れるようになったよ!」

ユウショウの鉛筆が最優秀賞に選ばれました♪

● そして、削った鉛筆で『本ジャパ』(本日のジャパンフレネ=リフレクション)を書く

普段、あまり書かない子も書いてくれました。

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こういうキャップを使う子もいなくなったなあ・・・。

● 番外

休んだ子は、翌日、チャレンジ!
指導者は、ユウヤ(^^♪

「木幡さん、ちいぼう、削るの上手いんだぜ」

しいぼう、真剣に取り組んでいましたよ。

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指導者!ユウヤ!

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刃物を持たせると危ない人?
みんなでマンゴーとキウイを食す。


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